夏に流行する感染症と熱中症
今の季節よく耳にする夏風邪と熱中症。体調を損ねて楽しい夏を台無しにしないためにも、原因と対策を知っておきましょう。
大人もかかる夏の感染症
夏の感染症は子供がかかるもの、という印象がありませんか? 夏の3大感染症として、プール熱、手足口病、ヘルパンギーナの3種類があげられます。これらは高温・多湿な環境を好むエンテロウイルス(コクサッキーウイルス、エコーウイルスなど)やアデノウイルスにより起こります。ウイルスのタイプが多数あり、大人にも感染して高熱・のどの痛み、胃腸炎などの症状が現れます。手洗い・うがいで予防しましょう。
夏風邪はしつこいと言われますが、それは夏の過ごし方にあるようです。
・エアコンのかけすぎや、冷たいものの食べ過ぎによる体の冷え
・夜更かしや暑さによる寝不足、夏バテによる栄養不良
このような理由で免疫の働きが低下している場合があります。ウイルスを攻撃する力が弱っているため、夏風邪は長引くことが多いのです。もしかかっても、夏風邪特定の抗ウイルス薬はありません。栄養と休養をしっかりとり、体力を回復させましょう。
今年は特に注意が必要な熱中症
高温多湿な環境で体に熱がこもって起きる熱中症、今年の夏はCOVID-19の影響でマスクを着けて過ごすため、例年以上に熱中症のリスクが上がっています。
マスクを着けると、次のような理由で熱中症の危険性が高まると考えられます。
・マスクでおおわれている部分から、熱が逃げにくくなる
・暖かい息が循環するため、呼吸で体温を下げられない
・常に口が湿った状態なので、喉の渇きに気付きにくく、脱水症状に陥りやすい
・マスクが湿ると通気性が悪くなって息苦しさが増し、体に負担がかかる
マスクを着けているときは激しい運動を避け、いつもよりゆったりとした動きと休息を心がけましょう。
気温35℃、湿度75%をこえると体から熱を逃がせません。真夏の日本ではよくある気候条件ですが、アメリカでも窓を閉め切った車内などで同じ環境になりえます。たとえ短時間でも子どもやペットを車内に残すことは避けましょう。
熱中症は予防が大切です。のどが渇いていなくても水分・塩分をこまめにとりましょう。もし熱中症の症状が見られる場合は、水だけ飲むと低ナトリウム血症を起こす危険があります。塩分も一緒に取ることが大切です。
万が一のために、点滴の代わりになる経口補水液の作り方を覚えておくと役に立ちます。
・500mlの水に砂糖20g(ペットボトルのキャップ3杯)、塩1.5g(ひとつまみ)
みなさんも夏風邪や熱中症にならないようにしっかりと予防と対策をして、楽しい夏をすごしましょう!