危険な感染症をワクチンで予防
ワクチンとは、そしてなぜ接種するのでしょう?
ワクチンとは、伝染力や死亡率の高い危険な病気を予防するための医薬品です。ワクチンには、感染力をもたない細菌やウイルスのかけら、弱毒化された病原体そのものなどが含まれています。ワクチンを接種すると体の免疫システムが働いて、病原体を攻撃する物質(抗体や白血球など)がたくさん作られます。その結果、接種した病原体に対する攻撃力が高まり、病気にかかりにくくなったり、かかっても軽く済むようになります。
ワクチンのおかげで、世界中で恐れられていた感染症が大きく減少しました。たとえば天然痘はワクチンにより消滅し、1980年にWHOが根絶宣言を行いました。現在も新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンをはじめ、多数のワクチンが開発されています。
ワクチンで防げる病気と接種スケジュール
現在35種類以上の病気に対するワクチンが開発されています。そのうち、重要度の高いものは政府が推奨スケジュールを定めています(定期接種ワクチン)。
種類は国により異なり、この表に含まれないものは任意接種となります。(接種ワクチンやスケジュールは変更されることがあります。最新版を確認してください。)
海外へ渡航する際は、その国に合わせた予防接種が必要になります(黄熱病など)。またインフルエンザのように流行のタイプに合わせて毎年接種が必要なワクチンや、狂犬病のように動物に咬まれた直後に接種するワクチンもあります。
残念ながら、ジカウイルスやHIV(エイズウイルス)のように、有効なワクチンが未だ開発されていない感染症も多数あります。
まとめ
感染症は過去のもの、発展途上国でしか起こらない病気、と考えがちですが、実はワクチンで予防しているのです。新型コロナウイルス(COVID-19)など、2000年以降にも新しい感染症が発見され、様々なワクチン開発が行われています。ワクチン接種は世界の健康を支えているといっても過言ではありません。小さなお子さんでも痛みなく簡単に接種できるように、鼻にスプレーするだけのワクチンも開発されています。感染症で命を落とす方が一人でも減るよう、より多くの感染症ワクチンの開発が期待されます。
(参考HP)
アメリカ CDC
https://www.cdc.gov/vaccines/schedules/hcp/imz/child-adolescent.html
日本 日本小児科学会
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/vaccine_schedule.pdf
MSDマニュアル 予防接種など
BIKEN 研究開発の流れ
https://www.biken.or.jp/about_business/reserch-project/development-flow
CVAR ワクチンとは
https://www.nibiohn.go.jp/CVAR/vaccine.html
米国研究製薬工業協会(PhRMA) ワクチンファクトブック2012(日本語版)
http://www.phrma-jp.org/library/vaccine-factbook_j/
厚生労働省 狂犬病に関するQ&Aについて
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html#q11
アストラゼネカ フルミスト
https://www.flumistquadrivalent.com/