アメリカを始め、世界で行われている治験
アメリカを始め、世界で行われている治験
世界中で感染者を出しつづけている新型コロナウイルス (COVID-19)、ワクチンや治療薬の開発に注目が集まっています。前回のコラムでは、新薬は厳しい治験をパスする必要があるとお伝えしました。今回は、現在行われている治験とその参加方法についてご紹介します。
現在行われている治験
現在、世界各国で行なわれている治験は、米国国立公衆衛生研究所 (NIH) と米国医薬食品局 (FDA) によって共同で運営されている治験情報を提供するデータベース
ClinicalTrials.gov: https://clinicaltrials.gov/ct2/home
で一般公開されています。
2020年5月末時点で、 “United States” で検索すると13万件以上、さらに “Recruiting(現在募集中)” “Not yet recruiting(今後募集予定)” “ Adult (18–64)(成人)” “Accepts Healthy Volunteers(健康な参加者)” で絞り込んでも5000件表示され、とても多くの治験を実施していることがわかります。
試験目的は、新薬の開発のみならず、既に使われている薬との効果比較、他の薬と一緒に飲んだ場合の相互作用などです。薬以外にも、電子タバコの使用が身体に与える影響の調査といった試験もあります。
治験のファーストステップ : Phase1 Trial
新薬候補を初めて人に投与するPhase1は、安全性を確認する非常に大切なステップです。健康な人に薬を摂取していただき、体内で薬がどのように代謝・排泄されるか、更に副作用等の安全性を調べます。治験というと、危険なイメージがつきまとうかもしれません。しかし、現在は医師や研究者が守るべき世界共通の倫理ルール(ヘルシンキ宣言 : DECLARATION OF HELSINKI)が定められ、実際の治験はリスクを最小化にするために厳しい法律と公的機関及び製薬会社の監視と指導の下で行われています。医師は治験参加者にしっかりと治験薬の目的、起こり得る副作用などを説明する義務があり、参加者が納得し、同意文書にサインした上で初めて治験スタートが可能です。又、治験の途中であっても、同意を取り消し、参加辞退をすことはいつでも可能です。
治験に参加するには
治験への参加方法は主に2通りあります。一つは医療機関からの紹介、もう一つはインターネットなどで検索して、参加者募集しているサイトから申込む方法です。
弊社でも健康な治験参加者を随時募集しています。日本語での対応が可能ですので、お気軽にご相談ください。https://jp.wcct.com/
まとめ
新薬開発に必要な治験は世界中で随時行われており、Phase1には健康な治験参加者の協力が欠かせません。現在の治験は、参加者のみなさまの権利やプライバシーに最大限配慮して運営されています。
参考HP
5027 Studies found for: Recruiting, Not yet recruiting Studies | United States | Adult | Studies that accept healthy volunteers, ClinicalTrials.gov
https://clinicaltrials.gov/ct2/results?cntry=US&recrs=b&recrs=a&age_v=&age=1&gndr=&hlth=Y&type=&rslt=&Search=Apply
Assessing Electronic Cigarette Nicotine Flux, ClinicalTrials.gov
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04378907?recrs=ab&cntry=US&age=1&hlth=Y&draw=3&rank=19
ヘルシンキ宣言, 日本医師会
https://www.med.or.jp/doctor/international/wma/helsinki.html
研究倫理の原則, 国立研究開発法人国立循環器病研究センター
http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/clinical-research/rinsyo-susumu/cr/rule.html
臨床研究・治験 はじめてナビ, 北海道大学病院
https://crmic.huhp.hokudai.ac.jp/public/flow.php
ClinicalTrials.gov
https://clinicaltrials.gov/ct2/home