血液検査でわかることと検査値の見方
血液検査には白血球、赤血球、血糖値、血色素数、総コレステロール、尿酸などたくさんの検査項目があります。この記事では血液検査でわかることと検査値の見方について解説しています。
血液検査とは?
健康診断では必ず含まれている血液検査、どのようなことが分かるのでしょうか。血液は体内のすみずみまで巡り酸素や栄養を供給して、老廃物を腎臓や肝臓へ運びます。そのため血液には体内の情報が含まれ、臓器の異常などを早期に発見する手掛かりとなります。
血液検査の検査値と検査値からわかること
代表的な検査項目とその内容を説明します。正常値は性別や国によって基準が変わります。ここでは日本予防医学協会による男性での基準値を記します。また、検査結果が基準値から外れていても、すべてが病気に結びつくわけではありません。
白血球
細菌やウイルス感染から体を守ってくれる免疫の働きを担います。
基準値:3.9~9.8 × 103 cells/μL
低値:感染症にかかりやすい状況です。
高値:感染症にかかっている可能性があります、喫煙で高値になる場合もあります。
赤血球
酸素を体中に運び、二酸化炭素を肺に持ち帰ります。
基準値:427~570 × 104 cells/μL
低値:貧血の状態が疑われます。
高値:多血症という状態です。脱水症状でも起こる可能性があります。
血色素数
血色素とは赤血球に含まれるヘモグロビンのことです。体内で作られるためには鉄分が必要です。
基準値:13.5~17.6 g/dL
低値:鉄欠乏性貧血が考えられます。
高値:種々の疾病のほか、脱水状態でも高値になる場合があります。
血糖値
空腹時血糖とも呼ばれ、糖尿病の重要なインジケーターです。過去1~2カ月の状態が分かるHbA1c(グリコヘモグロビン)を測定することもあります。
基準値:70~99 mg/dL
低値:糖尿病の薬を飲んでいる人に多く見られます。
高値:血糖コントロール不良という状態です。糖尿病などが疑われます。
総コレステロール
血液中に含まれる脂質で、脳や神経の細胞を作るために大切な成分ですが、近年では食生活の変化で高値になりがちです。
基準値:130~219 mg/dL
低値:低脂血症と呼ばれ、まれな遺伝子異常や他の病気が原因で起こります。
高値:動脈硬化、それに続く心筋梗塞や脳卒中を引き起こすリスクが高くなります。
尿酸
血液中の尿酸値が高くなると、尿酸の結晶が関節に蓄積して痛風の原因となります。
基準値:3.7~7.0 mg/dL
低値:腎性低尿酸血症の可能性があります。
高値:痛風、尿路結石が起こりやすい状態です。
その他
血液検査では他にも、肝臓や腎臓の状態や特定のがんの可能性など、幅広く調べることが可能です。
まとめ
体中をめぐる血液には、体からのさまざまな情報が含まれています。症状に現れにくい臓器の不調をいち早く知ることができます。アルタサイエンスで治験ボランティアに参加希望の方は、血液検査を含めた健康診断(プリスクリーニング)が無料で受診できます。あなたの健康維持にぜひご活用ください。