感染症とは?どんな病気?
感染症の原因と種類
感染症とは、まさに現在パンデミック(世界的な大流行)を起こしている新型コロナウイルス(COVID-19)のように、微生物(菌)やウイルスが体内で増殖することで発症する病気の総称です。感染部位は呼吸器・消化器・皮膚など、全身に起こります。症状も風邪や食中毒などの一般的なものから、麻疹(はしか)のように、非常に感染力が強く時として命にかかわるものもあります。人から人だけでなく、動物から人へ感染する場合もあります。
人類は太古から感染症と戦ってきました。2020年5月1日現在、新型コロナウイルスの感染者は全世界で約300万人ですが、1918年に大流行したスペイン風邪では、約5億人が感染、死亡者数は約4,000万人にも上ったとのことです(WHOによる統計)。
感染症を予防する
感染症にかからないために、一番大切なことは免疫機能を高め、病原体の侵入・増殖を防ぐことです。次のような対策が有効です。
・良質な睡眠と栄養バランスの良い食事
・ストレスを避ける
・手を洗う、マスクをつける
・汚染された水や食べ物を避ける(細菌性食中毒、A型肝炎など)
・他人の血液や体液に直接触れない(B型肝炎、HIVなどの性感染症など)
・蚊やダニに刺されないよう、虫よけ対策をする(デング熱、マラリアなど)
これらに加えて、ワクチン接種は、感染症の予防・軽減に効果があります。ワクチンを打つことで、病原体を攻撃する能力を高めることができ、その病気にかかりにくくなります。もしかかったとしても軽く済むのです。
新型コロナウイルスのワクチンは、世界中で開発が進められていますが、ジカウイルスやHIV(エイズウイルス)のように、残念ながらまだワクチンが開発されていない感染症もあります。ワクチンについては次の記事で詳しくご紹介します。
感染症の治療
細菌が原因の場合は抗生物質(抗菌薬)を、ウイルスによる感染症には抗ウイルス薬が投与されます。風邪やインフルエンザなど、ウイルスによる病気には抗生物質は効果がないので注意が必要です。また、症状が軽い場合や、有効な抗ウイルス薬がない場合は対症療法でつらい症状を和らげます。
まとめ
感染症は目に見えない病原体によっておこる病気です。正しく知って、賢く予防しましょう。
(参考HP)
メルクマニュアル 感染症
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/16-感染症/感染症の生物学/感染症の概要
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/13-感染性疾患/感染症の生物学/微生物の侵入を助長する因子
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/16-感染症/ウイルス感染症の概要/ウイルス感染症の概要
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/乳児と小児におけるウイルス感染症/麻疹(はしか)?query=麻疹
メルクマニュアル インフルエンザワクチン
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/16-感染症/予防接種/インフルエンザワクチン?query=ワクチン
国立感染症研究所 インフルエンザ・パンデミックに関するQ&A
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/pandemic/QA02.html
WHO 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)WHO公式情報特設ページ
https://extranet.who.int/kobe_centre/ja/news/COVID19_specialpage